同級生4

驚きました。あんなに小さくて、おとなしくて、揚げパンが半分しか食べられなくて、ランドセルしょってた女の子が4年とちょっとで風吹ジュンですから。
しばし見とれていたような気がします。すると敏子がいきなり、
「ねえねえみんな聞いて、彼はめぐみの初恋の人なんだよ〜!」と私を同級生に紹介しやがった。
恥ずかしかった。女のコに囲まれてジロジロ見られて、たぶん顔が真っ赤になっていたと思う。逃げるようにその場を立ち去った。
家に帰ってからあらためてめぐみの姿を思い出してみる。やっぱりイイ!しかも自分のことが好きだったなんて嬉しくて、ちょっと恥ずかしい感じ。
結論として、はっきり言って惚れた。その日の夜は眠れなかった。男子特有のすばらしい妄想が妄想を産み、脳内ではすでにめぐみと結ばれていた。
翌日、部活をさぼって敏子のバイト先をたずねた。
恥ずかしかったが「めぐみとつきあいたいからなんとかしろ」と頼んだ。
「残念でした!めぐみには半年付き合っている大学生の彼氏がいますのであきらめてください。」
あっけなかった。昨夜の妄想がむなしい。
「そうか大学生と付き合っているとなるとすでにアレか、だから大人っぽいんだ。ちくしょう。」
落胆する私に敏子が、
「友達紹介するよ。きのう一緒にいた久美ってコが、おまえのことタイプだってさ。」
失恋から僅か数秒で思わぬ展開、なにしろきのうはめぐみしか見てなかったから、久美ってコがどんなだったか覚えてないけど、ブはいなかった記憶。とにかく新しい展開に新たな妄想が炸裂。