同級生3

その後、敏子とは特に約束をしたわけでもないのに、バイトの帰り道で会ったり、駅の改札で偶然会ってレコード屋に付き合ってもらったり、そんなある日の会話。
「ねえねえダックはさあ、小学校の時好きな子いたでしょ?」
「いたよ。4年生の時からずっと好きだった。5年生で違うクラスになっちゃったけど。いまでも好き。」
「やっぱりそうか、2組のカオルでしょ?」
「ピンポーン!正解。なんで知ってんの?」
「めぐみに聞いたんだよ。あいつおまえのことずっと好きだったんだよ。」
「へえー初耳、でも待てよ?めぐみにカオルが好きだなんて教えたことないよ。」
「女は鋭いのよ、まああんたは鈍感すぎるけどね。ところでさあ、彼女とかいないの?」
「いねーよ。小学校卒業してから女と話すらしたことないよ。」
「じゃあアタシはなんなのさ?アタシだって女だよ、証拠みせようか?オラオラ!」
敏子とはこんな調子でした。ただ一人の女友達でした。
高校2年の夏、地元のお祭りで敏子とその同級生の女子校生5〜6人とばったり遭遇した。
そのなかに風吹ジュンみたいな髪型でひときわ大人っぽい綺麗なコがいた。なんとよく見たらめぐみだった。