真珠2

会社の女子には携帯のメールアドレスは教えません。
ずいぶん前にひとりの女子にだけ教えてしまったときにえらい目にあって以来、絶対に教えません。
知りたくも無い噂話や、応えられない質問が毎日飛んできてホントに困りました。

さてさて、バレンタインデーの夜のお話の続き、
日記の見出しが「真珠」なんて、なんかおかしくないですか?
疑問に思った君、君、きーみ、そこの君。
まずはこれを聴いてから日記を読んでね。8曲目のタイトル 「真珠」


想いあふれて

想いあふれて

バレンタインデーに二十も歳の離れた女子と二人きりになるなんてありえない話。
そう、深刻な悩みだとしても、わざわざこの日をチョイスしないでしょう。
「酒でも飲みながら聞こうか」なんて不真面目な返事にニッコリうなずくなんて正直びっくりしました。
料理屋に向かう途中、いろんな展開を想像してしまいます。
(まさかな、あるわけないな、でもひょっとして?)
どんな展開を想像したか?もちろんみなさんと同じですよ。
男ですもん。

K美ちゃんは細身ですが、ガリガリに痩せているわけではありません。
むしろ、デビュー当時の松浦亜弥そのままの体型の大人です。
目は大きくないんですけど、瞳が大きいっていうか、目の中がほとんど黒目。
顔は会社の女子の中で一番小さいのは間違いない。
しゃべり方と雰囲気が子供っぽい、じーみ、地味な子。
安いAVの女子高生役よりよっぽど幼く見える。でも地味。
そんなK美ちゃんがこの夜は胸元が大きく開いた黒いブラウスとニットのパンツでお出迎え。
二人用の座敷はホリゴタツみたいに足を伸ばしても楽な個室。
むかいに座り生ビールを注文。
「すごく大人っぽいね。」
「大人っぽいとか、おかしいですよ、もうおばさんですよ。アハハ。」
すでに生ビールをおかわりしていたようだった。
話し方と目つきがいつもとちょっと違う。


「ところでさ、話したい事って何?」
K美ちゃんは質問には答えず、ただじっとこちらをみつめるだけ。
上目遣いでじっと見られて、ドキドキしてたら、急に携帯で誰かにメールし始めた。
しばらくすると私の携帯が震えだす。
(受信メール、なんだ?誰から?)見覚えのないアドレス。
開いてみるとたった一言、
「好き(はあと)」
ほぼ同時に彼女の両足が私の脚をなぞる。
    つづく