四十過ぎの初体験

松浦亜弥さんの生誕コンに参加したおじさんとおばさんのレポ。
だらだら長いです。
田園都市線で渋谷から副都心線に乗り換え新宿三丁目で降り、徒歩で会場へ向かう途中の会話。
「二人だけでコンサートとか行ったことあったっけ?」
「無いわよ。音楽の趣味とか違うじゃん」
夫婦といっても所詮はもともと他人。自分の好きなものを無理やり押し付けても理解されない時の落ち込みを幾度か経験してきました。
世間一般ではアイドル歌手という認識で間違いの無い「松浦亜弥」。ヘタをすれば、「2度と行きたくねえ、みたくもねえ。」と言われてしまう危険性もあります。
四十を過ぎた一般の主婦にいきなりハロプロのコンサートを初体験させる訳ですから正直言ってかなり不安でした。
厚生年金会館に到着し、会場前にたむろする明らかに危険な香りを発散するヲタを発見した時の家人のこわばった表情が、昨夏お台場にアイドリングを見に行った時、超ドン引きされた光景が頭をよぎります。「休みが台無し」と捨てゼリフをはかれた時は離婚も考えました。(ウソ)
座席は2階の中段の端っこのほうでした。開演の40分前から着席し、のんびりしておりましたが、徐々に観客が増えてきますと部活動を終えた男子の香りがうっすらと漂いはじめます。
昨夏、新宿コマで娘たちが体験し、たびたび家族で話題にするおおげさなヲタの悪臭騒ぎを思い出したのか「チョットきついかな」と不安な表情。
開演10分前に額に脂汗を流してバナナマンの日村に良く似た黒いTシャツの男子が隣の席に現れた時「もうダメかも」とポツリとつぶやいていました。
この時、家人は(今はおとなしくしているけど、きっと豹変するんだわ。暴れだすんだわ。ガマンできなかったら退場しよう)と思っていたらしい。
しかし予想は見事に外れ、バナナマンはタイガーだったのです。(もしかして気を使ってくれていたのだとしたら心から感謝します。いやそうでなくても感謝です。ありがとうバナナマン。)

さて、いよいよ開演です。イントロが流れあやや登場の瞬間「アレ?」「おや?」二人でまったく同じ事を感じました。何を感じたのと申しますと、「自分の娘(長女)と似てんなあ」
髪型変えましたよね、座間の時とは。で、ウチの娘の髪型と髪の色がクリソツなんですよ。
親バカなんでさらっと流してもらいたいんですが、身長と体型がほとんどあややと同じなんですよ。お面のほうも親に似ずにちっちゃいんです。娘とダブって見えちゃいました。
私の手から双眼鏡をむしり取り必死に覗き込むと、「可愛い!可愛い!」の連発。
あとは、音が鳴れば手拍子と足でリズムを刻み、体を揺らしてしまうのは「いなかっぺ大将」を見て育った世代としては「風大左エ門現象」と呼び、ごく自然なこと。
アンコールのコールで思いっきりサイリウムを振って「あーややー」と叫んでいる姿は19歳の可憐な?女子大生だった頃を思い出させる。それでいいんだよ。これは非日常の奇跡の空間なのだから。
はるな愛の登場にゲラゲラ笑い、「笑顔に涙」で大きく手を振り目を潤ませている隣の女はまぎれもなく「どんなことがあったって死ぬまで絶対離すもんかい」とクサイ台詞で口説いたあんときのぽっちゃり娘。

あややの魔法が僕たち二人を20数年前にタイムスリップさせてくれた奇跡の瞬間。
終演後、家人が一言「疲れた。」さらに「お腹すいた。」と言ったところで魔法が解けた。
以下、帰りの電車の中で語った主婦の正直な感想。
☆「歌があんなに上手だとは思ってなかったわ。」
生歌でこれだけのパフォーマンスをするとは正直自分も一年前は思っていませんでした。
昔は良くアイドル見てましたけど、けっこう口パクとか多かったし、歌がうまい子はたいていルックスがなんでしたものね。
☆「パーカッションの人素敵!」
コレは座間を観にいった三女の入れ知恵も影響していると思いますが、双眼鏡でずいぶんフクちゃんを追いかけていたみたいです。確かにカッコイイのは認めます。
☆「いいなって思った曲がけっこうあったけど残念なのはファンの掛け声で歌声が聞こえなくなっちゃうこと。」
まあ、仕方がないですね。席も影響してますし、とりあえず今回のセットリストの曲を編集して渡してあげることにしましたのでオリジナルでもう一度聞いてもらいましょう。
☆「でもみんな行儀がいいのね。MCを静かに聞いたり、バラードの時の静粛とか凄いよね。」
これは年月をかけて進化したファンの姿だとおもいます。ホントに素晴らしい。昔のアイドルの現場なんて3割ぐらい発狂している者がまじってましたし、バラードだってコールしてましたからね。しかもメガホン使用で。
☆「やっぱり女子ひとりで参加するのは無理だと思う。」
どんなライブでも新参がすんなりと参加できないでしょう。まして女子となるとハロプロと聞いただけで必要以上にヲタを警戒しちゃったり。普通の青年(と中年)が多いですけどね。一度、女性限定のライブとか開催してみたらどうでしょうか。ファンの幅がかなり広がると思います。やってみたら女装したヲタだらけだったりして。もちろん私も女装で参戦します。(警戒されますね。やめときましょう。)
☆「バンドの演奏と歌をもうチョットじっくり聴いてみたい。」
贅沢を言ったらきりがありませんが、アルバム「ダブルレインボウ」からあと2〜3曲欲しかったと思います。特に「風に任せて」を静かな状況で聴きたいかな。(いずれ実現するはずですので待ちます)
☆「ハロプロやめればイイのに。」
コレは娘も同じ事を言ってました。なぜウチの女子がハロプロを嫌うのか、いくつかの理由があるようです。今度、ちゃんと検証しておきます。
ハローなくしてあややあらずです。あややも進化してます。ファンも進化してます。所属の母体も進化していくはず。(どうなの?)
最後に報告。
・FC加入します。(まあいいんじゃないの。とのことで)
・今回のライブDVDは買ってくれるらしい。(買ってくれなくていいから小遣い増やせや)
・「本気でオンリーユー」一緒に観にいきます。(内緒で他に2回は観るけどね。)