何日君再来

十何年も前の話ですけど、横浜の某所の雑居ビルの4階に中華系のパブがありまして仕事のお付き合いでよく連れて行かれました。
ハルミちゃんという女の子がいました。当時24歳といってましたがほんとかどうかはわかりません。あべ静江に似た綺麗な娘でした。
ハルミちゃんは私を連れて行ってくれるGさんのお気に入りでしたので、お店にいくと必ず私たちのテーブルについてくれます。
Gさんのリクエストでいつもテレサテンを歌っていました。「つぐない」とか「時の流に身をまかせ」などきれいな声でチャイナ訛りで歌う姿がとても魅力的でした。
羽振りの良かったGさんが内臓を悪くしてお店に行かなくなり、私もハルミちゃんのことなどすっかり忘れていたある日、私の携帯が鳴り、例のパブのママさんから「明日でハルミが故郷に帰るからお店に来て」とのお誘い。
Gさんに電話をいれて一緒に行こうと誘いましたが、Gさんには連絡が無かったらしくヘソをまげてしまいました。私も一人では行く気がしなかったので行きませんでした。
ところが9時過ぎに今度はハルミちゃんから連絡があり、どうしても来てくれと懇願されてしまい、タクシーを拾ってお店に行きました。
どうせ客の入らない口実だろうと思っていましたが、お店に着くと大盛況。ボックス席は満席で、カウンターに座らせられました。
2時間ほどでほとんどのお客と女の子が外に出てしまい、最後に私とハルミちゃんとママさんの三人でカウンターに横一列で飲んでました。時刻はすでに午前2時をすぎていたでしょうか。「そろそろ私も帰ろうかな」と言ったら「チョットマッテ、ダックサン、サイゴニワタシノウタキイテクダサイ」とハルミちゃんが歌ってくれたのがその日生まれて初めて聴く中国語の「何日君再来」でした。
結局その夜はおうちに帰りませんでした。「オモイデ、オモイデ、ハルミトオモイデ」とママさんに押し切られてしまいました。
翌々日、ホントにハルミちゃんは母国に帰りました。その後テレサテンのCDを買い、いまでも愛聴しております。
テレサテンを聴いたあとに松浦亜弥さんの「笑顔」を聴きますと若いなあ〜って感じます。